葦簾張よしずば)” の例文
小学時代に、夏が来ると南磧みなみがわらに納涼場が開かれて、河原の砂原に葦簾張よしずばりの氷店や売店が並び、また蓆囲むしろがこいの見世物小屋がその間に高くそびえていた。
涼味数題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
河原へ突き出された葦簾張よしずばりの仮小屋の入口に、下品な男が息んだ銅魔声を絞つて、暑さうに胸をはだけながらぞろ/\とくり込む群集から、大人五銭、小人二銭の木戸銭をとつてゐた。
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)