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よくふか
見慣ひて
平生はすはに
育しは其の父母の
教訓の
至らざる所なり
取譯母は
心邪まにて
欲深く亭主庄三郎は
商賣の道は知りても
世事に
疎く
世帶は妻に
任せ
置ゆゑ妻は
好事にして
夫を
尻に
敷き身上
向を
無益な
欲が、かえって
人間を
不幸にするのだ。そして、
欲深になったものは、もう二
度と、
生まれたときのような、
美しい
気持ちにはなれないのだ。
ゾラの小説「土」に、ある
慾深の若い百姓が雹に降られて天に向って
拳をふり上げ、「何ちゅう
事をしくさるか」と
怒鳴るところがあるが、無理はない。