“もく/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
默々50.0%
黙々50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その夜、妹達に接吻を與へた後、彼は私と握手することさへ忘れるのが至當であると考へたのか、默々もく/\と部屋を去つた。
煙草たばこすつたり、自分じぶんり折りはなしかけてもだ『ハア』『そう』とこたへらるゝだけで、沈々ちん/\默々もく/\空々くう/\漠々ばく/\、三日でもうしてちますよといはぬばかり、悠然いうぜん泰然たいぜん茫然ばうぜん
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彼はたゞ、皮製モロッコのポケット・ブックを取り出し、その間から一通の手紙をとつて、それを默々もく/\と讀み終へると、折りたゝんでもとへしまひ、また考へに沈んだ。
銃架じうかよ、おまへはおれの心臓しんざう異様いやう戦慄せんりつあたへる——のやうな夕日ゆふひびておまへ黙々もく/\すゝむとき
私はやはり、黙々もく/\として、心の中で「今に見ろ」という覚悟で暮しましたが、復讐すべき人間があまりに多くなってしまいには誰を槍玉にあげてよいか迷うようになりました。
痴人の復讐 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)