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ふぢしげ
平八郎は格之助の師
藤重の
倅良左衛門、孫
槌太郎の両人を呼んで、今年の春
堺七
堂が
浜で格之助に
丁打をさせる相談をした。
過したり然共吾助は喜内を
害し奪ひ取し金も二百兩の
中多くも
遣はず
隱し持しかば其の金の
有に
任せて
藤重が
好むと云物を
隱し
時過て又江戸へ來るが
上策ならんと
俄に
旅立の
用意せしが
然とて
是迄に心を
盡せし
那の
藤重を一夜なりとも手に入ずして別れんこと口惜し
今宵竊に
忍行て
咄を
自身に
訴へ出ければ越前守殿一
應糺問の上
桝屋久藏を
呼出され吾助を
召捕迄宅兵衞事主人預け申付るとて下られける斯て又吾助は
隅田川の花見に
藤重を
同道して到りしに
計らず
渡船にて忠八と面を