-
トップ
>
-
びょうにん
吉原だといやァ、
豪勢飛びゃァがるくせに、
谷中の
病人の
知らせだと
聞いて、
馬鹿にしてやがるんだろう。
伝吉ァただの
床屋じゃねえんだぜ。
私はついふらふらと
起き
上りましたが、
不思議にそれっきり
病人らしい
気持が
失せて
了い、
同時に
今迄敷いてあった
寝具類も
烟のように
消えて
了いました。
『
病院です、もう
疾うから
貴方にも
見て
頂きたいと
思っていましたのですが……
妙な
病人なのです。』