“なきはら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
泣腫60.0%
泣脹40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あか泣腫なきはらした顔を提げて、やがて扇屋へ帰つて見ると、奥の座敷には種々さま/″\な人が集つて後の事を語り合つて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
芳子は栗梅くりうめ被布ひふを着て、白いリボンを髪にして、眼を泣腫なきはらしていた。送って出た細君の手を堅く握って
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
乱れたびんをかき直し、泣脹なきはらした眼をしばたたいて、気まりわるげに、燈火あかりを避けてうつ向く様子のいたいたしさも、みんな此方の短気からと後悔すれば、いよいよいとしさが弥増いやまさ
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とくと見らるゝに年のころ三十歳ばかり顏色がんしよく痩衰やせおとろにくおちほねあらはれ何樣いかさま數日拷問がうもんに苦しみし體なり扨又女房お節を見らるゝにかれとても顏色がんしよくさら人間にんげんうるほひなくいろ蒼然あをざめて兩眼を泣脹なきはら櫛卷くしまきに髮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)