泣脹なきはら)” の例文
乱れたびんをかき直し、泣脹なきはらした眼をしばたたいて、気まりわるげに、燈火あかりを避けてうつ向く様子のいたいたしさも、みんな此方の短気からと後悔すれば、いよいよいとしさが弥増いやまさ
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とくと見らるゝに年のころ三十歳ばかり顏色がんしよく痩衰やせおとろにくおちほねあらはれ何樣いかさま數日拷問がうもんに苦しみし體なり扨又女房お節を見らるゝにかれとても顏色がんしよくさら人間にんげんうるほひなくいろ蒼然あをざめて兩眼を泣脹なきはら櫛卷くしまきに髮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)