“なきつる”の漢字の書き方と例文
語句割合
鳴鶴100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
死骸しがいはその日終日ひねもす見当らなかったが、翌日しらしらあけの引潮ひきしおに、去年の夏、庵室あんじつの客が溺れたとおなじ鳴鶴なきつるさきの岩にあがった時は二人であった。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくして、その半眼はんがんに閉じた目は、斜めに鳴鶴なきつるさきまで線を引いて、その半ばと思う点へ、ひらひらと燃え立つような、不知火しらぬいにはっきり覚めた。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
櫻山さくらやま夏鶯なつうぐひすれつゝ、岩殿寺いはとのでら青葉あをば目白めじろく。なつかしや御堂みだう松翠しようすゐ愈々いよ/\ふかく、鳴鶴なきつるさきなみあをくして、新宿しんじゆくはまうすものゆきく。そよ/\とかぜわたところ日盛ひざかりもかはづこゑたからかなり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)