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そうしやう
宗匠は
此の
景色を見ると
時候はちがふけれど酒なくて
何の
己れが
桜かなと急に一杯
傾けたくなつたのである。
喟然として
私は
歎じた。
人間は
斯の
徳による。むかし、
路次裏のいかさま
宗匠が、
芭蕉の
奧の
細道の
眞似をして、
南部のおそれ
山で、おほかみにおどされた
話がある。
然しまた
田圃づたひに歩いて
行く
中水田のところ/″\に
蓮の花の見事に咲き乱れたさまを
眺め
青々した
稲の葉に
夕風のそよぐ
響をきけば、さすがは
宗匠だけに