“せきせき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寂々33.3%
戚々33.3%
淅々22.2%
籍々11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春の色香いろかでたるはあはれむべく、打霞うちかすめる空に来馴きなるるひよのいとどしく鳴頻なきしきりて、午後二時を過ぎぬる院内の寂々せきせきたるに、たまたま響くは患者の廊下をゆるう行くなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかし保胤は仏教の所謂いわゆる六道の辻にも似た此辻の景色を見て居る間に、揚々たる人、踽々くくたる人、営々汲々きゅうきゅう戚々せきせきたる人、嗚呼ああ嗚呼、世法は亦復かくの如きのみと思ったでもあったろう後に
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
松吟庵しょうぎんあんかんにして俳士はいしひげひねるところ、五大堂はびて禅僧ぜんそうしりをすゆるによし。いわんやまたこの時金風淅々せきせきとして天に亮々りょうりょうたる琴声きんせいを聞き、細雨霏々ひひとしてたもと滴々てきてきたる翠露すいろのかかるをや。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その次には君江が名声籍々せきせきたる文学者の恋人である事をさほど嬉しいとも思っていないように見える事である。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)