“しょうふく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
慴伏63.1%
妾腹16.9%
懾伏6.2%
承服4.6%
慴服3.1%
懾服3.1%
小幅1.5%
正腹1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白雲によって悪い方は慴伏しょうふくされる。悪い方が慴伏されると勢い、いい部分だけの能力を現わすから、マドロスを抑えるには白雲に限る。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
名目は「風狂ふうきょう」ということになっているが、実際は世継ぎ争いであって、妾腹しょうふくの子の栄之進を世子にするため、彼が追われたというわけなのである。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
まるで何か知らん目には見えないが、其処そこに恐ろしい或者が立ちはだかっていて、雲はその前に懾伏しょうふくして、進むことも退くことも出来ないもののようである。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
マチアはわたしの反問はんもんに返事ができなかったけれども、かれはけっして承服しょうふくしようとはしなかった。
今尾高須の二藩を慴服しょうふくさせた赤報隊は、意気揚々として、桑名藩へ殺到しようとして、桑名城の南、安永村に進んで、青雲寺という寺に本営を敷いた。その夜である。
乱世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
犬小屋の隅に二匹の猛犬が、首を垂れ耳を伏せ舌をみ出し、懾服しょうふくしたように縮んでいる。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お神が切れるところから、彼は来るたびに何かおつな手土産てみやげをぶら下げ、時には役者のてた小幅しょうふくなどをもって来て、お神を悦に入らせるのに如才がなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「ふーム……。さては、わしの正腹しょうふく嫡子ちゃくしのないことを、石川家の方でも薄々心にとめていたものと見える」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)