-
トップ
>
-
さぶらう
父さんの
家ではよく
三郎の
噂をします。
三郎が
居る
木曾の
方の
話もよく
出ます。あの
木曾の
山の
中が
父さんの
生れたところなんですから。
太郎や
次郎は一
度父さんに
隨いて、
三郎の
居る
木曾の
小父さんの
家を
訪ねたことが
有りましたらう。あの
小父さんの
家の
前から、
木曽川の
流れるところを
見て
來ましたらう。
三郎はもう
長いこと
信州木曾の
小父さんの
家に
養はれて
居まして、
兄の
太郎や
次郎のところへ
時々お
手紙なぞをよこすやうになりました。
三郎はことし十三
歳、
末子がもう十一
歳にもなりますよ。