-
トップ
>
-
さくらぎくん
『
快なる
哉、
櫻木君の
海底戰鬪艇は
遂に
竣工しましたか。』と、
暫時は
言もなく、
東天の
一方を
眺めたが、
忽ち
腕拱ぬき
あゝ、
櫻木君は
遂に
其大目的を
達しましたらうか。
彼が
潜心苦慮せる
大軍器は
遂に
首尾よく
竣成しましたらうか。
私は
櫻木君の
大望をばよく
知つて
居ります。また、
彼が、
人の
知らない
此印度洋中の
一孤島に、三十
有餘名の
水兵と
共に、
身を
潜めて
居る
次第をもよく
存じて
居ります。