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ごじしん
こそならべて
見たしと
我すら
思ふに
御自身は
尚なるべし
及ぶまじきこと
打出して
年頃の
中うとくもならば
何とせん
夫こそは
悲しかるべきを
ただ
其折弟橘姫様御自身の
口づから
漏された
遠き
昔の
思い
出話——これはせめてその
一端なりとここでお
伝えして
置きたいと
存じます。
それからもう
一つ
爰でくれぐれもお
断りして
置きたいのは、
私がお
取次ぎすることが、
決して
姫御自身のお
言葉そのままでなく、ただ
意味だけを
伝えることでございます。