-
トップ
>
-
こほりざたう
と、
芥川さんが
詠じて
以来、——
東京府の
心ある
女連は、
東北へ
旅行する
亭主の
為に
鰹のでんぶと、
焼海苔と、
梅干と、
氷砂糖を
調へることを、
陰膳とゝもに
忘れない
事に
成つた。
と
冷かしたが、
元来、
衣裳鞄の
催促ではない、ホツキ
貝の
見舞に
来たのだから、
先づ
其次第を
申述べる
処へ……
又近処から、おなじく、
氷砂糖、
梅干の
注意連の
女性が
来り
加はつた。