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けふそく
高麗縁の青疊の中、
脇息に
凭れて、眼をやると、鳥の子に百草の
譜を書いた唐紙、唐木に百蟲の譜を
透し
彫にした
欄間、玉を刻んだ引手や
釘隱しまで、此部屋には何となく
内府は病み疲れたる身を
脇息に持たせて、少しく笑を含みて重景を見やり給ひ
旅費が
少いから、
旦那は
脇息とある
處を、
兄哥に
成つて、
猫板に
頬杖つくと、
又嬉しいのは、
摺上川を
隔てた
向う
土手湯の
原街道を、
山の
根について
往來する
人通りが、
衣ものの
色、
姿容は