“くろぢ”の漢字の書き方と例文
語句割合
黒地100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取寄とりよせ忠八に渡し此品にて候と云にぞ忠八手に取て一目見に黒地くろぢに金にて丸に三ツ引のもんちらし紛ふ方なき主人喜内が常に腰に提られし印籠なれば思ずなんだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
黒地くろぢに畫ける像の如し。座のめぐりには、新き炭を添へて、その煖氣は室に滿ちたり。われは客の、たまは脇を擦過かすりたり、いさゝかの血を失ひつれど、一月の間には治すべしといふを聞き得たり。
一停車場あるステイシヨンで、かれとなりた、黒地くろぢ質素しつそ洋服やうふくて、半外套はんぐわいたうはおつて、鳥打とりうちかぶつた山林局さんりんきよく官吏くわんりともおもふ、せた陰氣いんきをとこが、薄暗うすぐらまどからかほして、とほりがかりの驛員えきゐんんでいた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)