“くるまひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
車引20.0%
俥引20.0%
俥曳20.0%
車挽20.0%
車輓20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがてあるまちへくると、あちらから、ひろめ行列ぎょうれつがきた。車引くるまひきもおとこもぼんやりとまってともにとれているひまに、乞食こじきくるまびおりて、むらかえってしまった。
つばめと乞食の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やっと一ばかりもくると、乞食こじきは、わざと荷車にぐるまうえ居眠いねむりをするまねをした。おとこは、車引くるまひきのみみくちをつけて、なんでもみちのわからないところへれていってくれるようにたのんだ。
つばめと乞食の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
可哀相にスッカリ気まりが悪くなった銀行家は、法螺丸の俥引くるまひきにも劣るというミジメな烙印をされて、スゴスゴと帰って行く。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
全くの孤独で、私は自分で自分に腹を立てたりしたが、がらがらと戸があいて俥曳くるまひきが一人はいって来ると、私と背中合せにもりを一つあつらえて、美味うまそうに大きな音をたてて蕎麦をすすり始めた。
貸家探し (新字新仮名) / 林芙美子(著)
「いくら伎倆があっても、私気の多い人は厭だね。車挽くるまひきでもいいから、やっぱり独りの人がいいとつくづくそう思ったわ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その頃新派の活動役者の三枚目に小泉嘉輔こいずみよしすけというのがいて、車輓くるまひきや屑屋の役を得意にしていたが、助ちゃんはそれによく似ていた。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)