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くりまんぢう
法廷の
眞中には一
脚の
洋卓があつた、
其上には
栗饅頭の
大きな
皿が
載つてゐました、
見るからに
美味さうなので
『それ、
其處に!』と
云つて
王樣は、
洋卓の
上の
栗饅頭を
指しながら、
得意げに
申されました。
『よし、さらば、
詰問せん』
王樣は
冱々しからぬ
御容子にて、
腕を
拱み、
眉を
顰め、
兩眼殆んど
茫乎なる
迄、
料理人を
凝視めて
居られましたが、やがて
太い
聲で、『
栗饅頭は
何から
製られるか?』