“きちゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
忌中53.3%
癸丑13.3%
己丑13.3%
亀紐6.7%
奇中6.7%
貴冑6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燭台しょくだいともし放しになっているのだ。その、灯を背負って赤い障子に貼られた忌中きちゅうの文字は、大きな達筆である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
癸丑きちゅう六月に夷舶いはくの来りしとき、余、江戸に遊寓ゆうぐうす。警を聞きせて浦賀に至り、親しく陸梁りくりょうの状を察し、憤激にえず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「松峰院妙実日相信女、己丑きちゅう明和六年四月廿三日」とあるのは、輔之の妻、「源静院妙境信女、庚戌こうじゅつ寛政二年四月十三日」とあるのは、允成ただしげはじめの妻田中うじ
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
亀紐きちゅう鐶紐かんちゅう紫綬しじゅなどの大法を、勝手に改めたり、それを授与したり、ほとんど、朝廷を無視して、魏王の意のままとなした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
写楽が女形おんながたの肖像は奇中きちゅう傑作中の傑作ならんか。岩井半四郎、松本米三郎よねさぶろうの如き肖像を見れば余はただちに劇場の楽屋においてのあたり男子の女子に扮したる容貌を連想す。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しかし、この新将軍が貴冑きちゅうやからながらも多年内外の政局に当たり、見聞も広く、経験も積んでいて、決して尋常の貴公子でないことを忘れてはならない。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)