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かけよつ
打れて
眞逆さまに倒るゝをお花は
透さず
駈寄て左の
腕を
打落せば吾助は
起んと
齒切を爲す友次郎お花忠八
諸共押重り十分止めを
刺貫し終に首を
片付大宮にて親分に追付んと鷲の宮なる杉林へ
來懸りしが
死骸に
躓づき是は何者なるやと能々見るに
親分金兵衞の死骸なれば藤兵衞は大いに驚き先生々々
爰に親分が
切れてと
聞より掃部も
駈寄て能見れば正敷金兵衞の死骸なり
南無さん何者の
仕業ならんと三人は
切齒を
究め其夜兩國橋へ行き
既に身を
投んと
爲たりし
際小提灯を持ちたる男
馳寄てヤレ
待れよと吉之助を
抱き
止めるに
否々是非死なねばならぬ事あり
此所放してと云ふを