“かけよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
駈寄76.5%
馳寄23.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
駈寄かけよった人々がしょくを差上げ、片手を刀の柄にかけて、同じく空を見上げたところで幕になりました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
私は駈寄かけよって先生と握手したい衝動にかられたが、こらえて、ていねいにお辞儀をしたとたんに
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
新平民の仙太と見て、他の生徒が其側へ馳寄かけよつて、無理無体に手に持つ打球板ラッケットを奪ひ取らうとする。仙太は堅く握つたまゝ、そんな無法なことがあるものかといふ顔付。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
自分で自分を思いやると、急に胸が込上げて来て、涙は醜い顔を流れるのでした。やがて、思いついたように馬の傍へ馳寄かけよって、力任せに手綱を引手繰ひったくりましたんです。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)