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かいだうばた
えゝ、
城ヶ
沼の。はあ、
夢中で
其処ら
駆廻らしつたものと
見える……それは
山の
上では
無い。お
前様が
温泉へ
来さつしやつた
街道端の、
田畝に
近い
樹林の
中にある
大い
沼よ。
彼の
容貌はぎす/\して、
何處か
百姓染みて、
※鬚から、ベツそりした
髮、ぎごちない
不態な
恰好は、
宛然大食の、
呑※の、
頑固な
街道端の
料理屋なんどの
主人のやうで、
素氣無い
顏には
青筋が
顯れ