“おたまや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御霊屋41.7%
御廟33.3%
霊屋8.3%
御霊廟8.3%
霊廟8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仙台へ着いた甲斐は、御霊屋おたまやで政宗、忠宗の墓所にもうで、それから登城の礼を済ましたあと、在国の一門一家に帰国の挨拶をして、暫く屋敷にこもった。
藍丸王はあくる朝眼を覚ますと直ぐに身支度を済まして、昨日きのうのように紅木大臣と一所にお城の北の先祖の御廟おたまや参詣おまいりをしたが、それからのちは昨日のように種々いろいろな大仕掛な出来事は無かった。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
この人々の中にはそれぞれの家の菩提所ぼだいしょに葬られたのもあるが、また高麗門外こうらいもんがいの山中にある霊屋おたまやのそばに葬られたのもある。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
霊屋おたまやのそばにはまだ妙解寺みょうげじは出来ていぬが、向陽院という堂宇どううが立って、そこに妙解院殿の位牌いはいが安置せられ、鏡首座きょうしゅざという僧が住持している。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
御霊廟おたまやの森を右手に望んで彦兵衛は急ぐともなく足を運んでいたが、ふとけたたましい烏の羽音とそれに挑むような野犬の遠吠えとでわれにもなく立竦んだのだった。
幾匹と知れぬからすの群ればかり、霊廟おたまやの方から山王台さんおうだいまで、さしもに広い上野の森中もりじゅうせましと騒ぎ立てている。
曇天 (新字新仮名) / 永井荷風(著)