御霊屋おたまや)” の例文
あの江戸の方で上巳じょうみの御祝儀を申し上げるとか、御能おのう拝見を許されるとか、または両山の御霊屋おたまや参詣さんけいするとかのほかには、人質も同様に
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
仙台へ着いた甲斐は、御霊屋おたまやで政宗、忠宗の墓所にもうで、それから登城の礼を済ましたあと、在国の一門一家に帰国の挨拶をして、暫く屋敷にこもった。
徳川三百年の由緒を語る御霊屋おたまやを除き、本堂、庫裡くり、護国堂等壮麗なる七堂伽藍がらんいっさいを灰燼かいじんに帰せしめた。
蒲団 (新字新仮名) / 橘外男(著)
其の時、全然同じ一手段で夫れも立派な旗本が一人、芝の御霊屋おたまや華表とりい側で切り仆されたではありませんか。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御霊屋おたまや枝垂梅しだれうめあり君知るや
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)