“おしつぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
押潰61.5%
圧潰19.2%
壓潰7.7%
押瞑7.7%
推潰3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方いつぱう廣庭ひろにはかこんだ黒板塀くろいたべいで、向側むかうがは平家ひらや押潰おしつぶれても、一二尺いちにしやく距離きよりはあらう、黒塀くろべい眞俯向まうつむけにすがつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それらはきびしく僕に立ちむかって来た。僕はそのために圧潰おしつぶされそうになっているのだ。僕は僕にたずねる。救いはないのか、救いはないのか。だが、僕にはわからないのだ。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
または煙突が崩れてゐたり小屋や小さな物置が壓潰おしつぶされてゐたり、そして木立や林が骸骨のやうになツて默々としてゐる影を見ては、つい戰場に於ける倒れた兵士のむくろを聯想する。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
と思ふと、両親の顔や弟共の声、馬の事、友達の事、草刈の事、水汲の事、生れ故郷がつまびらかに思出されて、お定はじつと涙の目を押瞑おしつぶつた儘、『阿母あツばあ、許してけろ。』と胸の中で繰返した。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
垢だらけの胸をはだけて乳をやる母親は、鼻が推潰おしつぶした様で、土に染みた髪は異な臭気を放つて居たが、……噫、浅間しいもんだ、那麽あんな時でも那麽気を、と思ふと其をつと
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)