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うちとり
ば
討取ば此度の公事は
必定勝利ならん右兩人を
討取手段を一
刻も
早成さるが
捷徑なりと申ければ主税之助は首を
傾け兩人を
討取幸之進殿に
手向進らせ
度一ツには
行末永き浪人の身の上母公の養育にもさし
支へるは
眼前なり且敵を
討取猶三の柵片原町なる
大學が
持場迄此勢ひに
崩れんとする處へ本城より
加勢として
木村長門守重成後藤又兵衞
基次秀頼公の
仰に隨ひ
繰出したりと
讀て彦兵衞
莞爾と
笑ひながら是よりは佐竹樣
大負と成て
御家老衆討死致され佐竹左中將
義宣公も危い處へ佐竹六郎殿
駈付て討死致されたればこそ佐竹樣危き命を
同じく其弟の源六は
佐々成政の養子で、二人
何れも秀吉を
撃取にかかった猛将佐久間
玄蕃の弟であったから、重々秀吉の
悪しみは掛っていたのだ。