“ありあけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
有明81.2%
残燈7.2%
有明行燈5.8%
殘燈2.9%
在明1.4%
有明燈1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更にそのすえが裾野となって、ゆるやかな傾斜で海岸に延びており、そこに千々岩ちぢわ灘とは反対の側の有明ありあけ海が紺碧こんぺきの色をたたえて展開する。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
残燈ありあけ暗く床柱とこばしらの黒うつややかにひかるあたり薄き紫のいろめて、こうかおり残りたり。枕をはづして顔をあげつ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのちょっと前のことであるが、或る夜ふっと眼がさめると、いつも点いている有明行燈ありあけが消えていた。
寒橋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一語にても意味のりける詞の與之助には利き刄にてゑぐらるゝやうに胸のくるしく、寢られぬ夜半の殘燈ありあけのかげ薄れゆくまゝに、やがては鳥もなくらん、かねも驚かすべし、いざと敷居をまたぐ時
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……弥生やよひも末の七日なぬか明ほのゝ空朧々ろうろうとして月は在明ありあけにて光を
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
有明燈ありあけの油は絶えなんとしているし、一升徳利は横に寝ているし、人も非ず、に火の気もあらず、自分は、着た儘で、うたた寝をしていたらしい。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)