“あいちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愛寵50.0%
愛重25.0%
合牒5.0%
哀腸5.0%
哀調5.0%
哀鳥5.0%
相弔5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛寵あいちょう比なき夫人の兄たる弐師じし将軍にしてからが兵力不足のためいったん、大宛だいえんから引揚げようとして帝の逆鱗げきりんにふれ、玉門関ぎょくもんかんをとじられてしまった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
小石川植物園内の大銀杏は維新後あやうり倒されようとしたおのの跡が残っているために今ではかえって老樹を愛重あいちょうする人の多く知る処となっている。
「……妾……今から帰って、お医者様にスッカリ白状するわ。みんな妾が一人でした事だって……ですから貴方あなたは……あなたは早く逃げて頂戴……同罪になるといけないから……店の金庫の合牒あいちょうはイナコよ……サヨウ……ナラ」
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
冬近きを思うにつけ、飢餓きがに迫っている城兵はいよいよ悲壮な哀腸あいちょうを抱いて死の近きを覚悟しているにちがいない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うらむような、泣くような、ちょう千切ちぎれるような哀調あいちょうをおびた楽の音であった。来会者の中には、首すじがぞっと寒くなり、思わずえりをかきあわす者もいた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
呉は国中に服した。空に哀鳥あいちょうの声を聞くほか、地に音曲おんぎょくの声はなかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
養子に離れ、娘にも妻にも取り残されて、今は形影相弔あいちょうするばかりの主人は、他所目よそめには一向悲しそうにも見えず、相変らず店の塵をはたいている。
やもり物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)