金持かねも)” の例文
このむらに、もう一人ひとり金持かねもちがありました。そのおとこは、むらのものが、一ぽう金持かねもちのうちにばかり出入でいりするのをねたましくおもいました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかしむかし大昔おおむかしいまから二千ねんまえのこと、一人ひとり金持かねもちがあって、うつくしい、気立きだてい、おかみさんをってました。
「ここのお百姓は、金持かねもちのようならしをしているんだよ! ここのお百姓は、金持ちのような暮らしをしているんだよ!」
「これはこのごろにないしものだ。どうかして道具どうぐずきなお金持かねもちをつかまえて、いいらなければならない。」
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
アメリカといふくには、みなさんもつてゐるとほりあたらしいくにでありますが、非常ひじようにお金持かねもちでありますから、ぜいたくをつくした立派りつぱ博物館はくぶつかん近頃ちかごろたくさんにつくられ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
鉋太郎かんなたろうこえをはずませていいました。金持かねもちときいて、かしらはにこにことしました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
外國がいこくたとへにも、金持かねもちが天國てんごくくのは、おほきなぞうはりあなをとほらせるよりもむつかしいといつてゐますが、さういつた滿足まんぞくしきつた氣持きもちばかりでゐては、人間にんげんにはしみ/″\と
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「や、こんなばかげたはなしはありません。わたしが、まちがっていましたろうか?」と、金持かねもちは、ものわかりのしそうなひとはなしました。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのつぎの朝、王子おうじはそのくつをもって、あの金持かねもちの男のところへいきました。そして
まえをこれまで随分ずいぶんはたらかせるだけはたらかして、おかげでわたしもたいしたお金持かねもちになった。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
金持かねもちです、金持かねもちです。すばらしいりっぱないえでした。」
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
おとこは、いえかえり、今度こんどは、失敗しっぱいをしないつもりで、けた仏像ぶつぞうをふろしきにつつんで、むら金持かねもちのところへってかけました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おまえは、なんでそんなにほねをおって木を切っているのだね。おまえが、水車のうしろに立っているものをわしにくれると約束やくそくすれば、わしはおまえを金持かねもちにしてやろう。」
「いや、金持かねもちがありました、金持かねもちが。」
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
金持かねもちは、また、毎日まいにち毎日まいにち今日きょうはどこからか金色こんじきうおらえてってきてくれはしないかと、そればかりちあぐんでいました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
じつは、わたくしは、ある金持かねもちの商人しょうにん番頭ばんとうにすぎないのでございます。
「しかし、金持かねもちにはかなわないんだね。仕事しごとをさせてもらわなければならぬし、いつしかぺこぺこあたまげていくようになったよ。」
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるお金持かねもちのうちで、そのうちのおくさんが病気びょうきになりました。
この土地とちのものではありませんが、みんなの気持きもちは、よくわかっています。お役人やくにんや、金持かねもちや、学者がくしゃは、自分じぶんらの仲間なかまでない。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、うんとまけさして、みんなこのたらをいました。そして、そのばんうちじゅうのものがはらいっぱいべたのであります。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、お金持かねもちの男がいいました。
金持かねもちのつまは、わたしがこれほどまでにせつないおもいをして、かみさまにねがっているのも、みんなんだ自分じぶん子供こどもがかわいいからのことだ。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをいて、事情じじょうらぬひとたちは、金持かねもちや、家主やぬしにありそうなことだと、した青服夫婦あおふくふうふへ、同情どうじょうしたかもしれません。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし、あるくに金持かねもちのおうさまがありました。その御殿ごてんはたいそうりっぱなもので、ぜいたくのあらんかぎりをくしていました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、にぎやかなまちなかあるいて、それを貴族きぞくったり、金持かねもちに莫大ばくだいかねりつけたり、また商人しょうにんゆずったりしたのであります。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、金色こんじきうおべれば、この病気びょうきがなおるということをきますと、絶望ぜつぼうのうちにかすかな希望きぼうみとめたのであります。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこか、金持かねもちで、なに不自由ふじゆうなくらされて、むすめをかわいがってくれるようなひとのところへやりたいものだとかんがえていました。
海ぼたる (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、よろこんで、常夏とこなつかかえてうちかえりました。そのあとで、おじいさんは、大事だいじ子供こどもうばわれたように、がっかりしました。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし金持かねもちのんでいた屋敷やしきも、れはててそのままになっていたが、いつしか、そこにもなしのなえは、えられたのです。
金持かねもちは、とりうちれると、つねにかごからそとはなしておきました。よるになるととりは、うちかえってきてかごのなかはいりました。
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、こまったすえに、とうとうからすにかなしいわかれをげて、それを宿屋やどや主人しゅじんから、金持かねもちにってもらうことにいたしました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
このむらに、一けん金持かねもちがんでいました。そのうちはすぎのや、いろくろずんだ、かしのなどでかこまれていました。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、かごのなかはいっているにわとりました。それは、ひくい、ごまいろの二雌鶏めんどりと、一のあまりひんのよくない雄鶏おんどりでありました。
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうして、希望きぼうって無理むり仕事しごとをつづけるうちに、金持かねもちは支払しはらいができなくなって、どこへか姿すがたかくしてしまいました。
そのとりきな金持かねもちがからすを大事だいじにしてかわいがってくれたら、からすも自分じぶんとこうしているよりはしあわせであろうかとかんがえました。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、金色こんじきうおらえたひとをうらやみました。そして、わいわいとそのひときながら金持かねもちのいるまちほうしてゆきました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、ながあいだ、なぞであったまんの、金持かねもちから借金しゃっきんする理由りゆうが、これらのひとたちにほどこすためのものであったことをらせたのであります。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんでもはたらいて、このむら地主じぬしさまのように金持かねもちにならなければだめだ。」と、主人しゅじんあたまりながら、つまをはげますようにいいました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、かぎりなく、毎日まいにち毎日まいにち、あわれなひとたちがもらいにくるので、金持かねもちは、まったくやりきれなくなってしまいました。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おばあさんは、金持かねもちが、なんとなくうらめしくなりました。自分じぶんたちの幸福こうふくうばっていったようにさえおもわれたのでした。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
隣村となりむらに、もう一人ひとり金持かねもちがありました。この金持かねもちも天下てんかぴん仏像ぶつぞうがぜひたくなりました。それで、わざわざおとこのもとへやってきました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるところに金持かねもちがありまして、毎日まいにち退屈たいくつなものですから、にわとりでもって、新鮮しんせんたまごましてべようとおもいました。
金持ちと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金持かねもちは、とうとういたたまれなくなって、どこか、人々ひとびとからのとどかないところへいって、かんがえようとおもったのです。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それにしても、おれがこんなにいま、金持かねもちになって、ここにみせしていることを、らぬはずはないだろう。いや、まだらないのかしらん。
くわの怒った話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「この時計とけいこそっているのだ。上等じょうとう機械きかいで、まち時計とけいにちゃんとわしてきたのだ。」と、金持かねもちがいいました。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もっと、みなみほうへいったら、また、金持かねもちのんでいるまちがあるかもしれない。そのまちをたずねてゆこうか?」と、思案しあんにくれていたのです。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、金持かねもちから時間じかん見方みかたおそわって、かれらは、はたけにいっても、やまにいっても、ると時計とけいはなしをしたのであります。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
るまにふる船体せんたいこわれてしまい、金持かねもちも、わか船員せんいんしずんでしまえば、また船長せんちょうもその姿すがた見失みうしってしまいました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じつは、おまえさんがえるだろうとおもって、っていた。あの仏像ぶつぞうってきたかい。」と、金持かねもちはいいました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)