おは)” の例文
未明みめい食事をおはりて出立し又水流すいりうさかのぼる、無数の瀑布を経過けいくわして五千五百呎のたかきに至れば水流まつたき、源泉は岩罅かんこより混々こん/\として出できた
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
衣食住の事はおはりたるを以て是より器具きぐの方に移るべし。コロボックルは如何なる器具を用ゐしやと云ふ事を考ふるには三つの據有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
何方どつちかにしなければ生活の意義を失つたものとひとしいと考へた。其他のあらゆる中途半端ちうとはんぱの方法は、いつはりはじまつて、いつはりおはるよりほかに道はない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ゆふおはりての宵々よひ/\いゑいでては御寺參おんてらまい殊勝しゆしように、觀音くわんをんさまには合掌がつしようを申て、戀人こひびとのゆくすゑまもたまへと、おこゝろざしのほどいつまでもえねばいが。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
五年目ごねんめには田地でんち取返とりかへし、はたけ以前いぜんよりえ、山懷やまふところ荒地あれち美事みごと桑園さうゑんへんじ、村内そんないでも屈指ゆびをり有富いうふう百姓ひやくしやうおはせたのです。しかもかれ勞働辛苦らうどうしんくはじめすこしかはらないのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
服飾ふくしよくの事は前回にてしるおはりたれば是より飮食の事を記すべし先づみ物には如何なる種類しゆるゐ有りしかと云ふに、人生じんせいく可からざる水は勿論もちろん
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
おもことに一せん融通ゆうづうかなふまじく、いはゞたからくら番人ばんにんにておはるべきの、らぬつままでとは彌〻いよ/\重荷おもになり、うき義理ぎりといふしがらみのなくば
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これ烈敷はげしくなると、高い塔の上から、遥かのした見下みおろすのと同じになるのだと意識しながら、漸く剃りおはつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おはりにのぞくまに就て一言すべし、熊の巣穴は山中に無数あるにもかかはらず、藤原村に於て年々得る所のくまは数頭のみ、之れ猟師の勇気いうき胆力たんりよくと甚少きを以てなり、即ち陥穽かんせいもうけて熊をりやうするあり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
おいとこたへてこめかしをけはかすほどのろさ、くておはらば千歳ちとせうつくしきゆめなかすぎぬべうぞえし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
石器とは石を以てつくりたる道具だうぐ總稱そうせうなるが、其中にて刄のきたる分、即ち石製の利器の事は、打製類だせいるゐ磨製類ませいるゐも大畧記しおはりたるを以て、是より刄物はものならざる石器の事を述ぶ可し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
五罎の「ぶらんでー」は忽ちび出さる、二びんたちまたをる人数多き為め毎人唯一小杯をかたむけしのみ、一夜一罎をたほすとすればのこる所は三日分のみなるを以て、巳を得ずあいく、慰労の小宴ここおはれば
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
だいそだつることもなるまじ、美尾みをわたし一人娘ひとりむすめ、やるからにはわたしおはりももらひたく、贅澤ぜいたくふのではけれど、お寺參てらまいりの小遣こづかぐらゐしてももらはう
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さしもあやふくおもひしことりとはことなしにおはりしかと重荷おもにりたるやうにもおぼゆれば、産婦さんぷ樣子やうすいかにやとのぞいてるに、高枕たかまくらにかゝりて鉢卷はちまきにみだれがみ姿すがた
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
桂次けいじがもとへおくりこしたる寫眞しやしんはあれども、しがくしに取納とりおさめてひとにはせぬか、れともひとしらぬ火鉢ひばちはいになりおはりしか、桂次けいじならぬものるによしなけれど
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うで下品げひんそだちましたなれば此樣こんことしておはるのでござんしよと投出なげだしたやうなことば無量むりようかんがあふれてあだなる姿すがた浮氣うはきらしきにず一ふしさむろう樣子やうすのみゆるに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あがめたてまつ先生せんせいでもゆきあめには勿論もちろんこと、三に一はおことわりがつねのものなり、それをなんぞや駄々だヾさま御機嫌ごきげんとり/″\、此本このほんさつよみおはらば御褒美ごはうびにはなにまいらせん
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)