“はなし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハナシ
語句割合
51.3%
談話11.4%
11.0%
5.1%
5.0%
会話2.5%
2.2%
落語1.7%
話頭1.2%
話題0.7%
相談0.7%
物語0.6%
縁談0.5%
説話0.5%
0.5%
雑談0.5%
會話0.3%
話説0.3%
対談0.2%
法話0.2%
話談0.2%
対話0.1%
話柄0.1%
人情話0.1%
伝説0.1%
0.1%
報告0.1%
座談0.1%
怪談0.1%
0.1%
時談0.1%
演説0.1%
物話0.1%
葉梨0.1%
言文一致0.1%
証言0.1%
話児0.1%
話声0.1%
話示0.1%
話端0.1%
0.1%
説教0.1%
談芸0.1%
談論0.1%
論判0.1%
講話0.1%
逸話0.1%
題目0.1%
顛末0.1%
高論0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
久保田氏を評する時により多く面白い證明のよすがとなる可きはなしで、作品としては可も無く不可も無い、極めて平凡なものだと思ふ。
談話はなしをしても差支えない程度まで元気づいた時、未だ毎日采配を振りに来る母親が二人の病室の仕切りになっていた襖を外してくれた。
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
先般ある会社の重役が検挙せられたときのはなしを聞くに、部下の者は始めて日ごろよりいだいていた重役に対する不満を述べたという。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
昔からのおはなしをすれば種々いろいろあるが、先ず近い所では現に三四年前、私が二人の仲間と一所に木曽の山奥へ鳥撃に出かけた事がある。
あの山国兵部のはかりごとで、奇兵に回ったものですから、ようやく打ち破りはしたものの、ずいぶん難戦いたしたようなはなしを承りました。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お浪との会話はなしをいいほどのところにさえぎり、余り帰宅かえりが遅くなってはまた叱られるからという口実のもとに、酒店さかやへと急いで酒を買い
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この物語をただ北の雪空の下に生れた美しい虚妄のはなしとばかり思っていたのは間違いでした。思い返してみれば、この頃の私のために作られた譚でした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
このたびはソノ三題話さんだいばなし流行はやつた時分じぶん出来できました落語はなしで、第一が大仏餅だいぶつもち、次が袴着はかまぎいはひ乞食こつじき、と三題話さんだいばなしを、掲載すことにいたしました。
茶が出てから、三人は別の話頭はなしに移つた。奥様は旅先の住職のうはさなぞを始めて、客の心を慰める。子坊主は隣の部屋の柱にもたれて、独りで舟を漕いで居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あいちやんはねんすやうにはれたのを面白おもしろからずおもつて、なにほか話題はなしはじめやうとして、れかれかとかんがへてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
何でもあんたの家には大切な品や思いますので相談はなしによっては何せんこともおまへんこう思いましてな、何れ、電車会社の方の
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
これは、ガデャーチからよくやつて来たステパン・イワーノヸッチ・クーロチカに聞いた物語はなしぢやが、これには一つの故事来歴がついてゐる。
洗いざらい、ぶちまけて縁談はなしの邪魔してやる。……ご老中田沼のお殿様に、睨まれている、そればかりか、服部兄妹に親の敵と、狙われている身だとねえ
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
成程なるほど、其筆にはいつも一種の神経質があつた。到底蓮太郎は自分を離れて説話はなしをすることの出来ない人であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
が、翌日になつて見ると、劍持の話した體操教師のはなしが不思議にも私の心に刻みつけられたやうに殘つてゐた。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
里の市が流して行く笛の音が長く尻を引いて、張店はりみせにもやや雑談はなし途断とぎれる時分となッた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
あいちやんは、『もなければ會話はなしもない書物ほんなんやくつだらうか?』とおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しゃさけ出来栄できばえに、たちまち一部の册子そうしとなりぬ。そもこの話説はなしの初集二集は土竈どがまのパットせし事もなく。起炭おこりずみにぎやかなる場とてもあらねど後編は。駱駝炭らくだずみ立消たちぎえなく。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
腹の中で胃と腸とが対談はなしをしてしきりに不平をこぼしている所を見ました。僕は学校にいた時分から校中第一の健啖家けんたんかと称せられて自分も大食を自慢にしたくらいですから僕の胃腸は随分骨が折れましょう。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
今、法話はなしを終って、ほっと、ほの紅い顔して白湯さゆをのんでいる親鸞の前へ一人一人出て、こう挨拶をしながら——
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こゝ話談はなし後戻あともどりをしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
で、自然しぜん私達わたくしたち対話はなしんでからのち事柄ことがらかぎられることになりました。わたくし真先まっさきにいたのは良人おっと死後しご自覚じかく模様もようでした。——
私達わたくしたちはあまり対話はなしはいって、すっかり時刻ときつのもわすれていましたが、不図ふとがついてると何処どこかれたか、二人ふたりかみさんたち姿すがたはそのあたり見当みあたらないのでした。
さし代ッたなりに同じ話柄はなしの種類のかわッたのが、後からも後からも出て来て、未来永劫えいごう尽きる期がないらしく見えた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
別世界は別世界相応の話柄はなしの種も尽きぬものか、朋輩ほうばい悪評わるくちが手始めで、内所の後評かげぐち廓内くるわの評判、検査場で見た他楼よその花魁の美醜よしあし、検査医の男振りまで評し尽して、後連あとれんとさし代われば
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「まあご覧なさい、これですよ、いまの伝説はなしの銀貨はね」
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
相手が女なら容易の事では逃げません、夫に又女は—(荻)イヤ女で無い事は理屈に及ばぬ箱屋殺しの様なはなしも有るけれど夫は不意打
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
いま貝十郎から百姓一揆に関する、詳しい報告はなしを聞いたところなのであった。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
例によって座談はなしが弾んで、久住の口から、遠い国々の港みなとの風景、荒くれた男たち、略奪、疫病、変った人々の生活ぶり、などが物語られる。
その真似をして林家正藏はやしやしょうぞうという怪談師が、今戸いまどに心中のあった時に『たった今戸心中噺』と標題を置き拵えた怪談はなしたいして評がかったという事でござります。
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一生懸命に振放そうとする、放させまいとする、暫時争ッていると、縁側に足音がする、それを聞くと、昇は我からお勢の手をはなして大笑に笑い出した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
住職の老人には私は平時いつ顔馴染かおなじみなので、この時談はなしついでに、先夜見たはなしをすると、老僧は莞爾にっこり笑いながら、恐怖こわかったろうと、いうから、私は別にそんな感もおこらなかったと答えると
子供の霊 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
そうして彼は演説はなしをした。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
う御座います。僕も決して自滅したくは有りません貴様あなたが僕の物話はなし悉皆すっかりきいて、そのうえで僕を救うの策を立てて下さるのなら僕はこのうえもない幸福です。」
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
また同書巻八志太しだ葉梨はなし村大字中藪田なかやぶたの沼、アワラともいう。この村の地左右山にて中央には沼あり。いにしえはこの村すべて沼にてありしに、二百年来漸々ぜんぜんに開墾したりとある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「そりゃ私の手紙は言文一致はなしで、其儘そのまま誰が聞いても分る様に……」と皆まで言わぬ中に
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
文字若の証言はなしを、こうして藤吉は、先刻から黙りこくって聞いていたのだった。
渠は話児はなしを釣るべき器械なる、渠が特有の「へへえ」と「なるほど」とを用いて、しきりにその顛末てんまつを聞かんとせり。乙者おつも劣らず水を向けたりき。髭ある人の舌本ぜっぽんはようやくやわらぎぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もうすこし。お前さんも性急せッかちだことね。ついぞない。お梅どんが気がかないんだもの、加炭ついどいてくれりゃあいいのに」と、小万があおぐ懐紙の音がして、低声こごえ話声はなしも聞えるのは
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
明日たつの刻ごろまでに自身当寺へ来たるべし、かねてその方工事仰せつけられたきむね願いたる五重塔の儀につき、上人直接じきにお話示はなしあるべきよしなれば、衣服等失礼なきよう心得て出頭せよと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
話端はなしの業がつきないのです。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
知人故ウィリヤム・フォーセル・カービー氏の『エストニアの勇士篇』にも諸国蛟竜こうりゅうはなしは右様の爬虫類、遠い昔に全滅したものより転訛てんかしただろうと言われた。
時偶ときたま近所へ夜話に招ばれる事があれば、役目の説教はなしもする。それが又、奈何どうでも可いと言つた調子だ。或時、痩馬喰やせばくらうかかあが、小供が腹を病んでるからと言つて、御供水おそなへみづを貰ひに来た。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
市川團十郎氏の演劇しばいと三遊亭圓朝氏の談芸はなしを好み、常に之を見、之を聞くを以て無上の楽しみと為せるが、明治九年以来当地に移住せるを以て、復両氏の技芸を見聞する能わず。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
その客は服部五郎兵衛はっとりごろべえと云う私の先進先生、至極しごく磊落らいらくな人で、主客しゅかく相対あいたいして酒を飲みながら談論はなしは尽きぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「富突きがあつてから昨日まで、毎日々々めました。でも清太郎さんも迷つたやうで、昨夜二階へ追つかけて來た叔父さんとの論判はなしで、清太郎さんは一應考へて置くと言つたやうでした」
高安月郊氏が同志社女学校で東西比較文学の講義をしてゐた頃、講話はなしついでから話題が「文学者と髯」といふ事にまで及んで来た。
この尻の逸話はなしから推すと、又右衛門の腰も
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「今の顛末はなしというのを聞かしてくださいな」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
西洋風俗や学問のお高論はなしをお伺いなさい。こんどおつれ申しましょう。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)