“咄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなし35.0%
はな25.2%
とつ17.1%
ばなし12.2%
ばな3.3%
ハナ0.8%
はなす0.8%
ちぇっ0.8%
0.8%
とっ0.8%
どつ0.8%
0.8%
ハナシ0.8%
バナシ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今一つ出雲に行わるる譚とてきびの色赤き訳を説きたるは、天保元年喜多村信節きたむらのぶよ撰『嬉遊笑覧』九に載せた瓜姫うりひめはなしの異態と見える。
私が猿楽町に下宿していた頃は、直ぐ近所だったので互に頻繁ひんぱんに往来し、二葉亭はいつでも夕方から来ては十二時近くまではなした。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
或時は小歌に旦那もある情夫いろもある、黒の羽織が其旦那で其情夫で、とつ此貞之進も欺かれるのかとまで決着を附けたこともあったが
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
大倉粂馬さんという人の書かれたもので、大倉集古館におさまって居る、冷泉為恭筆の阿弥陀来迎図らいごうずについての、思い出しばなしだった。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
俺はむかしお万のこぼした油をアめて了つた太郎どんの犬さ。其俺の身の上ばなしが聞きたいと。四つ足の俺に咄して聞かせるやうな履歴があるもんか。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
コノ為来シキタりを何時となく、女たちのハナすのを聞いて、姫が、女のギヤウとして、この野遊びをする気になられたのだ、と思つたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
呼れ退役たいやくには及ばぬと仰渡おほせわたされ一件相濟たれども彦兵衞は愍然かあいさうな事をなしたりとはなすを權三助十はきゝ彌々いよ/\勘太郎を怪く思ふ中勘太郎は家主いへぬしはじめ長家中へも少しづつの金を貸與かしあたへし故皆々勘太郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこで銭のことを言い出す奴があるものか。ちぇっ※ この凡夫の浅ましさよ。
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
恋愛慕情のたてぬきにからまれて身うごきもとれぬとは! ッ! なんたるざまだッ!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
問…とっ! 然らば汝は神なるか。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
鎭めて聽居きゝゐたりしがいまかたをはりし時一同にどつほめる聲家内やうちひゞきて聞えけり此折しも第一の客なる彼の味岡勇右衞門は如何いかゞ致しけんウンと云て持病ぢびやう癪氣しやくき差込さしこまれ齒をかみしめしかば上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「——寸草スンソウトドメズ、六コン清浄ショウジョウナリ。汝ノタメ剃ッテ除キ、争競ソウキョウマヌガレセシム。……ツ、ミナ剃リ落セ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此はこゝだけのハナシだよ、と言つて話したのが、次第に広まつて、家持の耳までも聞えて来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
聞く人のない森の中などで、よく、つぶ/\と物言ふ者がある、と思うて近づくと、其が、語部の家の者だつたなど言ふ話が、どの村でも、笑ひバナシのやうに言はれるやうな世の中になつて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)