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一寸見
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ちょっとみ
ふりがな文庫
“
一寸見
(
ちょっとみ
)” の例文
そこで兵太郎のことというと夢中になる娘のお輝を
騙
(
だま
)
した。——お輝は
一寸見
(
ちょっとみ
)
は
幼々
(
ういうい
)
しく、いかにも子供らしいが、もう立派な娘だ。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
恐らく此歌は人麿自身の作として間違は無いとおもうが、
一寸見
(
ちょっとみ
)
には、ただ口に任せて調子で歌っているようにも聞こえるがそうではないのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
秘
(
ひそ
)
かに自任しているよりも、低く自分の徳を
披露
(
ひろう
)
して、控目という徳性を満足させておきながら、欲念というような実際の弱点は、
一寸見
(
ちょっとみ
)
には見つからない程
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一寸見
(
ちょっとみ
)
には、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。
令夫人
(
おくがた
)
は
許嫁
(
いいなずけ
)
で、お妙は先生がいまだ
金鈕
(
きんぼたん
)
であった頃の若木の花。
夫婦
(
ふたり
)
の色香を分けたのである、とも云うが……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一寸見
(
ちょっとみ
)
にはそうお見えになりますが、だんだんお附合いして行くと、思いの外、と申しては失礼かも知れませんが、趣味でも何でもほんとうに思いの外ハイカラで、モダーンで
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
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書道展覧会など殆ど全部がといって差支えない今の書家風の書、すなわち手先の器用で作り上げる「書」形態は、筆調は体裁上、
一寸見
(
ちょっとみ
)
に本当の能書と変るところなきものかに見える。
書道を誤らせる書道奨励会
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
スッカリ若返りにしておりましたので
一寸見
(
ちょっとみ
)
はフイ
嬢
(
ちゃん
)
よりも可愛いくれえで、フイ
嬢
(
ちゃん
)
とお揃いの前髪を垂らして両方の耳ッ
朶
(
たぼ
)
に大きな真珠をブラ下げた
娘
(
やつ
)
が、
翡翠
(
ひすい
)
色の
緞子
(
どんす
)
の服の間から
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だから私のオセッカイを軽くかわして、私を追払い、種則と膝ヅメ談判に及んだが、私なんかゞ三百代言よろしく
一寸見
(
ちょっとみ
)
だけ凄んでみせるのと違って、猛烈に急所をついて食い下ったらしい。
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
一寸見
(
ちょっとみ
)
はよく見えても、作ってみると駄目なんでございましょう」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しているが、あんな悪い奴はないよ。自分のことしか考えない人間ほど恐ろしいものはない。
一寸見
(
ちょっとみ
)
は正直そうだが、腹の中は鬼だ
銭形平次捕物控:133 井戸の茶碗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
内容の貧弱は眼利きの前に蔽うべくもない。
一寸見
(
ちょっとみ
)
は筆もこなれていて、字体もなかなか気が利いておもしろくあるが、惜しい
哉
(
かな
)
、その根本が書家風に堕していて、尊び難いものがある。
現代能書批評
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
騒がせている銅脈さ。
一寸見
(
ちょっとみ
)
は
真物
(
ほんもの
)
の小判と少しも違わない。——もっともこちとらは、滅多に小判を
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一寸見
(
ちょっとみ
)
は二十二三がせいぜい、色白で、
華奢
(
きゃしゃ
)
で、なよなよとした陰影の多い美しさは、豊満で肉感的で、少し
媚態
(
びたい
)
をさえ持ったお政とは、およそ正反対な感じのする女でした。
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
寸
常用漢字
小6
部首:⼨
3画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“一寸”で始まる語句
一寸
一寸法師
一寸々々
一寸角
一寸試
一寸前後
一寸眼
一寸位
一寸先
一寸刻