龍鳳りゅうほう)” の例文
龍鳳りゅうほう日月の旗を中心に控えた有様は、まばゆきばかりの美しさと、天下を睥睨へいげいする威容をつくって、見事なものであった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あけの柱に彫られてある龍鳳りゅうほうもともにうそぶくかとあやしまれ、やがてたますだれのうちに、薫々くんくんたる神気がうごいて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
龍鳳りゅうほう日月五色の旗をなびかせ、白旄黄鉞はくぼうこうえつの勢威をつらね、その光は眼もくらむばかりであったし、広陵の河沿いから大小の湖には、無数の艨艟もうどうが燈火をいて
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たちまち、真紅金繍しんくきんしゅうの燃ゆるごとき魏の王旗を中心に、龍鳳りゅうほうの旗を立て列ね、一そく、堂々とあなたから迫ってくるもの——いうまでもなく魏の大軍だった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明の下に、関羽、張飛、趙子龍の三傑があるところへ、今度は副軍師龐統を加え、参謀府に龍鳳りゅうほう双璧そうへきが並び、その人的陣容は、まったくここに成ったという形です。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、驚いて見あげると、日月の旗、龍鳳りゅうほうはん黄羅こうらの傘を揺々ようようと張らせ、左右には、金瓜きんか銀斧ぎんふの近衛兵をしたがえた自称帝王の袁術えんじゅつが、黄金のよろいに身をかためて、傲然ごうぜんと見おろしていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)