もの)” の例文
一旦ひとたび一四四樹神こだまなどいふおそろしきものむ所となりたりしを、わか女子をんなご一四五矢武やたけにおはするぞ、一四六老が物見たる中のあはれなりし。
こんな誓ひが人とものとの間にあつた後、村々の人は、石城しきの中に晏如として眠ることが出来る様になつた。さうでない村々では、何者でも垣を躍り越えて這入つて来る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
こんな約束が、人とものとの間にあって後、村々の人は、石城の中に、ゆったりとむことが出来る様になった。そうでない村々では、何者でも、垣を躍り越えて這入って来る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
鬼にしたる女をとらへて、今土にうづむなりとかたりしとなり。されどこれらは皆女子をんなごにて、男たるもののかかるためしを聞かず。凡そ女のさがかだましきには、さる浅ましきものにも化するなり。
怪しきものして一一九ありしかたちを見せつるにてぞあるべき。