高麗錦こまにしき)” の例文
武士たちは、こわごわちかづいて見ると、高麗錦こまにしきくれあや倭文織しずおりかとりたてほこゆきくわなどのたぐいで、いずれも権現から紛失した宝物であった。
「多麻河にさら手作てづくりさらさらになにぞこの児のここだかなしき」(巻十四・三三七三)、「高麗錦こまにしきひもけてるがろとかもあやにかなしき」(同・三四六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かかるたぐ高麗錦こまにしき新羅斧しらぎおのなど『万葉集』中いと多し(『北辺随筆』)、カケは催馬楽さいばらの酒殿の歌、にわとりはかけろと鳴きぬなりとあるカケロの略で(『円珠庵雑記』)
青地の高麗錦こまにしきふちを取った敷き物の中央にもすわらずに琵琶びわを抱いて、きれいに持ったばちさきいとの上に置いているのは、音を聞く以上に美しい感じの受けられることであって
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)