高杯たかつき)” の例文
掃守かもりかたはらはべりて、ももの大なるをひつつ三一えき手段しゆだんを見る。漁父が大魚まなたづさへ来るをよろこびて、三二高杯たかつきりたる桃をあたへ、又さかづきを給うて三三こん飲ましめ給ふ。
食事は江戸に比してすべて粗末であったが、菓子は立派に高杯たかつきに沢山盛られてあった。出入の商人などは時々私の家族などに面白可笑しく話をしかけ、役者の批評などもした。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
六条院の各夫人から産室への見舞い品、祝品はさまざまに意匠の凝らされたものであった。折敷おしき衝重ついがさね高杯たかつきなどの作らせようにも皆それぞれの個性が見えた。五日の夜には中宮ちゅうぐうのお産養うぶやしないがあった。
源氏物語:36 柏木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
れいの手これ將たむる日の高杯たかつき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)