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駈落者
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かけおちもの
ふりがな文庫
“
駈落者
(
かけおちもの
)” の例文
目下、松島湾の月ノ浦に碇泊しているところの駒井甚三郎創案建造の蒸気船、無名丸から脱走して来たところの
駈落者
(
かけおちもの
)
なのであります。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
駈落者
(
かけおちもの
)
は、御法度の筈でございます。捕まえて、日本橋のたもとに、
曝
(
さら
)
し者としてくださるのが、御法だと覚えておりますが。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うしろ暗いことがあるか無いか、それは調べてみなければ判りませんが、いずれにしても
駈落者
(
かけおちもの
)
は一応の詮議を致さなければなりませんので……。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ありがとう。もう大丈夫ですわ……まあおかしいわね。あたしたち、まるで
駈落者
(
かけおちもの
)
みたいじゃありませんか」
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
○「やい、
神妙
(
しんびょう
)
にしろ、身ぐるみ脱いて置いて
行
(
い
)
け、
手前達
(
てめえたち
)
は大方宇都宮の女郎を連出した
駈落者
(
かけおちもの
)
だろう」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
平次とお六が泊つたのは、とら屋三四郎、
晩酌
(
ばんしやく
)
を一本つけて、さて、話が枝がさし葉が
繁
(
しげ
)
ります。番頭は夫婦と見たか、
駈落者
(
かけおちもの
)
と見たか、ひどく心得て同じ部屋に泊めるつもりなのを
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
われら
駈落者
(
かけおちもの
)
を捕へ候とて、さほど貴殿の御手柄になり候
訳
(
わけ
)
にてもあるまじく候間、何とぞ日頃の
誼
(
よし
)
みにこのまゝお見逃し下されよと、
袂
(
たもと
)
に
縋
(
すが
)
り、地に
額
(
ひたい
)
を
摺
(
す
)
り付けて頼み候様子なれど
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
庚申
(
こうしん
)
像を縛って
駈落者
(
かけおちもの
)
の足留めしたと心得ると五十歩百歩だ。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
駈落者
(
かけおちもの
)
になるよりほかに仕方がないじゃないか
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あれは景気は好さそうだがその実
懐中
(
ふところ
)
に金はあるまいとか、こちらの方に
燻
(
くす
)
ぶっている商人
体
(
てい
)
の一人者は、あれでなかなか持っていそうだとか、あの夫婦者は実は
駈落者
(
かけおちもの
)
だろうとか
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何者かと思って振返ると、心中でも仕損じた
駈落者
(
かけおちもの
)
とおぼしく、
橋際
(
はしぎわ
)
へ
晒者
(
さらしもの
)
になっている二人の男女があって、その両手は堅く
縛
(
いまし
)
められている処から一心に種彦の袂をば歯で
啣
(
くわ
)
えていたのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
捉まえに行ったのは本当です、あの二人は
駈落者
(
かけおちもの
)
なんだから、それを
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“駈落”で始まる語句
駈落
駈落事