首級しゅきゅう)” の例文
斎戒沐浴して髪に香を焚きこめる、——刺客の手にかかることがあろうとも、見苦しい首級しゅきゅうさらしたくないとのゆかしい御覚悟からなのだ。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
討つなら討つと、初めから堂々とを鳴らして、彼奴きゃつの宿所へせかけるならば、今頃はもう二人のあいだに、秀吉の首級しゅきゅうを置いて見ていられたものを。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「十郎頼兼と多治見ノ四郎二郎、この二人を討って取る。ついてはそち勢に加わり、二人の者の首級しゅきゅうの真偽、見究めかたがた参れとのこと! 早々出発するがよかろう」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「僕は何うしても吉良の首級しゅきゅうを挙げる。仇を討ってやる」
首切り問答 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と、心ひそかに信長の首級しゅきゅうを確実に挙げたかどうか、たえず一縷いちるの気がかりとしているようであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道々すれちがった町人ちょうにんに、都田川みやこだがわのもようをたずねたがそれは、みな伊那丸以下いなまるいかのものが、菊池半助きくちはんすけ斬刀ざんとういのちをたたれて、その首級しゅきゅう河原かわら獄門ごくもんにさらしものとなった
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茂朝は、馬の鞍覆くらおおいに包んで抱えていた光秀の首級しゅきゅうを彼に示し、暗然と面をそむけた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
首級しゅきゅうは、家康の本営へ送られ、即日、蟹江は開城となった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、神察しんさつ。して、貴公が左の手に持つその首級しゅきゅうは」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わしの首級しゅきゅうがさらしてある」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彦兵衛は、首級しゅきゅうをかかえて
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)