もちひ)” の例文
旧字:
あしたにはもちひ焼かせて、日暮にはお膳竝べて、さて師走、我が家の市、馬ぞ、しびぞ、鰤ぞ、牛ぞと、おもしろと、見るとながむと、子供らの一の和子わこ我は。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
広きもちひなどを物に取り入れて取らせたるに、むげに中善くなりて、よろづの事を語る。
濫僧考補遺 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
亡き友の病みこやりても得ざりしをすくやかにしてすこのもちひはも(氷谷博士既に重態に陥られ食慾なかりし折、餅を欲せられしも、この時勢とて入手し得られざりしことを思ひ起して)
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
搗きたてのもちひならすとしろき粉の米の粉まぶし手にたたきをる
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
搗きたてのもちひならすとしろき粉の米の粉まぶし手にたたきをる
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
山帰来葉ばらんはや山はこほしき日のむれもちひくるまむその葉摘みたむ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春なれば草の蓬も搗きこめてのどかなるらしもちひ搗きをる
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
書読みて心安けきたまたまは我やさしかりもちひなど焼く
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)