飾紐リボン)” の例文
うしまして、わたくしこそ……。』と、つた帽子の飾紐リボンに切符を揷みながら、『フム、小川の所謂近世的婦人モダーンウーマンこのひとなのだ!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
めでたき飾紐リボンあまた買はるべし、その黒き髮にうつりきものをえらみ試みんは、いかに樂かるべきぞなど、繰返して説き勸めつ。
胸を開けた襯衣シヤツの縁は溝をつくつてゐた。そして帽子には、端に金色の錨をかいた長いひら/\した飾紐リボンがついてゐた。
右の手には美術家がかむるような縁の広い空色羅紗の中折帽に、その頃はまだ流行はやらなかった黒皮革かわ飾紐リボンを巻いたのを提げて、左手には水のようなゴム引き羽二重はぶたえ雨外套レインコートとキッドの白手袋と
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『怎うしまして、私こそ……。』と、つた帽子の飾紐リボンに切符を揷みながら、『フム、小川の所謂近世的婦人モダーンウーマンが此ひとなのだ!』と心におもつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は例の如く茶の間に行つて同宿の人と一緒に飯を食つてゐると、風邪の氣味だといつて學校を休んで、咽喉に眞綿を捲いてゐる民子が窓側で幅の廣い橄欖オリーブ色の飾紐リボンを弄つてゐる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
私は例の如く茶の間に行つて同宿の人と一緒に飯を食つてゐると、風邪の気味だといつて学校を休んで、咽喉に真綿を捲いてゐる民子が窓側で幅の広い橄欖色オリイヴいろ飾紐リボンいぢくつてゐる。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)