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食滯
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しよくたい
調れども更に
怪しき事なければ
彌々食滯と決し感應院の
死骸は村中より
集り形の如く
野邊の
送りを
治す醫師なれば
食滯と申し其座を
立退候病症見屆の醫師に候はゞ
大食滯を
見れば
年限隔りて
黒染みの樣なれば人間の血の
染たるとは大に
異なりしかば寶澤こそ天一坊に相違なしと三五郎は
名主甚左衞門に向ひ
山伏感應院の死去せしは
病氣なりしやと
尋ねけるに甚左衞門病氣は
食滯と
承はり候と云然らば其時は
醫師に見せ候やと聞に
參候當村に清兵衞と申す醫師有て
夫に見せ候と答ふ然らば其
醫師を