あふり)” の例文
新字:
風のあふり蒸暑むしあつく、呼吸いき出入でいりも苦しいと……ひとしほマノンの戀しさに、ほつと溜息ためいきついた……風のあふり蒸暑むしあつく、踏まれた花のが高い……見渡せば、入日いりひはなやぐポン・ヌウフ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
橋の眼鏡めがねしたを行くむらさきの水の色、みるに心が結ぼれて——えい、かうまでも思ふのに、さてもつれないマノンよと、恨む途端とたんに、ごろ、ごろ、ごろ、遠くでらいが鳴りだして、かぜあふり蒸暑むしあつい。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)