飛道具とびどうぐ)” の例文
案「狼は出ねえが、うわばみしゝが出まさア、なアに出ても飛道具とびどうぐウ持っているから大丈夫でいじょうぶでござりやす、あんた方の荷物をお出しなせえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一口にえば塾も住居すまい殻明からあきにして仕舞しまい、何処どこを捜した所で鉄砲は勿論もちろん一挺いっちょうもなし、刃物はものもなければ飛道具とびどうぐもない、一目明白、すぐに分るようにしました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いかなる戒刀かいとう達人たつじんも、飛道具とびどうぐのまえに立っては危険きけんなので、わざと身をうっせたものだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永禪は不図ふとうしろに火縄の光るのを見て、此奴こいつ飛道具とびどうぐを持って来たと思うからずーんと飛掛り、抜打ぬきうちに胸のあたりへ切付けました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だからたぶん、飛道具とびどうぐを持たせたら、きっと巧者こうしゃだろうと思うんだが……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おッ、若君わかぎみ飛道具とびどうぐのそなえがありますぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)