飛絣とびがすり)” の例文
葉子はハンドバックに日傘ひがさという気軽さで、淡い褐色がかった飛絣とびがすりのお召を着ていたが、それがこのごろ小肥こぶとりのして来た肉体を一層豊艶ほうえんに見せていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かわらのおもてに、あとからあとからまれて秋雨あきさめの、ときおり、となりいえからんでやなぎ落葉おちばを、けるようにらしてえるのが、なに近頃ちかごろはやりはじめた飛絣とびがすりのようにうつった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)