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飄々乎
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ひょうひょうこ
ふりがな文庫
“
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)” の例文
颯々として背を吹きなでるその初秋のわびしい街風をあびながら、風来坊の退屈男は
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
としてどこというあてもなくさ迷いました。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それはとにかく、活東は
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
とした人物であった。母親とつつましい暮しをしていて、自分は雇員か何ぞになって区役所に勤めていた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
跛者
(
ちんば
)
で醜貌の猪十郎、薬草車を引き出した。美童の紅丸後押しをする。車に添って薬草道人、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として歩いて行く。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
左程
(
さほど
)
にもない距離に思われても、歩いてみると案外、
紆余
(
うよ
)
曲折のあるのが山道の常で、日本左衛門の
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
たる姿を、
沢辺
(
さわべ
)
の向うに見ていながら
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
というのは、運平老と徹太郎との、例の
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
とした話っぷりや、高笑いが、彼の気持、というよりは、彼の存在そのものにまるで無頓着らしく思えたからである。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
神経衰弱を
生命
(
いのち
)
の綱にしている現代の青年が、百年考えても実践出来ない人生の千山万岳をサッサと踏破り、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として徹底して行くのだから手が附けられない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
私はこの
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
たる樹庵の姿を見、持前の感傷癖から、彼のイデヤするものは
畢竟
(
ひっきょう
)
、淡々たる
光風霽月
(
こうふうせいげつ
)
の境地なのであろう、と何かこう羨しげな気持で、物凄い音響の律動を夢見心地に
放浪作家の冒険
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
これも
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として旅に上った。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その関所の西口から急落している石段を、今、ひとりの
儒者
(
じゅしゃ
)
ふうの男、肩から
紐
(
ひも
)
で
合財袋
(
がっさいぶくろ
)
と
小瓢
(
こふくべ
)
をさげ、その小瓢のごとく
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として降りてくる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薬草道人はどうしたか? 将軍吉宗の大患を癒し、薬剤車を猪十郎に曳かせ、美童の紅丸を供に連れ、眼の明いた白烏を前駆にし、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として早春の候、再び御岳へ帰ってしまった。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まことに
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として、所もあろうにこんな山路の奥の身延街道に姿を現すとは、いっそもう小気味のいい位ですが、しかし、当の本人はそれ程でもないと見えて、相変らず言う事が退屈そうでした。
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
平原の禰衡、
字
(
あざな
)
は
正平
(
しょうへい
)
。迎えをうけて、ふだん着の
垢
(
あか
)
臭い衣服のまま、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
としてやってきたが曹操以下の並居る閣のまん中に立つと、無遠慮に見廻して
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として歩いて行く。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夏は
唐人扇子
(
とうじんせんす
)
をパチつかせ、冬はぼろ隠しの十徳を着て、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
としている源内が、仕立ておろしの
初袷
(
はつあわせ
)
をつけて、いつになくこざっぱりしていたのは、季題はずれのように衆目をひいた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孤剣葛巾
(
こけんかつきん
)
の浪士は、
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
として辻を曲がってこなたへ歩いてくる。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飄
漢検1級
部首:⾵
20画
々
3画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“飄々”で始まる語句
飄々
飄々然
飄々浪々
飄々翩々
飄々何所似