)” の例文
旧字:
それほど尊い女の誠を五百石で買ったと思えばやすいもので、ちっとも惜しいことはあるまいと、彼女は誇りに言い放してお時を驚かした。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分が主でもない癖に自己おのが葉色を際立ててかわった風をほこ寄生木やどりぎは十兵衛の虫が好かぬ、人の仕事に寄生木となるも厭ならわが仕事に寄生木をるるも虫が嫌えば是非がない
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「おお、其方そのほうか。」と、権右衛門は一方の眼を誇りひからせた。「先刻は大儀じゃ。姫も家来もこの通りじゃ。」
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼女に対して無礼を働いたばかりでなく、頼長は誇りに、こんなことを口走ったというのである。兄の忠通は天下の宰相たるべきうつわでない。彼は単に一個の柔弱な歌詠みに過ぎない。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)