頬冠ほゝかぶり)” の例文
まだかはつたことには、ふなばたかすみつゝんで、ふつくり浮上うきあがつたやうなともまつて、五位鷺ごゐさぎ一羽いちは頬冠ほゝかぶりでもさうなふうで、のつとつばさやすめてむかふむきにチヨンとた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すると雨で粘土ねばつちが滑るから、ズルリ滑って落ちると、ボサッカの脇の処へズデンドウと臀餅しりもちを搗きまする、とボサッカの中から頬冠ほゝかぶりをした奴がニョコリと立った。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ね、親分、眞面目に聽いて下さい。私は、——斯んな事を言ふと、笑はれると思つて默つて居たんだが、昨夜曲者が逃げる時、頬冠ほゝかぶりを剥いだはずみに、ほんのちらりと顏を見ましたよ」
洗いざらし物ではありますが双子ふたこの着物におんなし羽織を引掛ひっかけ、紺足袋に麻裏草履をはいております、顔は手拭で頬冠ほゝかぶりをした上へ編笠をかぶッてますから能くは見えませんが