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領巾
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ひれ
ふりがな文庫
“
領巾
(
ひれ
)” の例文
そこでスセリ姫の命が蛇の
領巾
(
ひれ
)
をその夫に與えて言われたことは、「その蛇が食おうとしたなら、この
領巾
(
ひれ
)
を三度振つて打ち
撥
(
はら
)
いなさい」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
彼は
領巾
(
ひれ
)
をたまさぐりながら、
茫然
(
ばうぜん
)
と室の中に
佇
(
たたず
)
んでゐた。すると眼が慣れたせゐか、だんだんあたりが思つたより、薄明く見えるやうになつた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『古事記』にも、
須佐之男命
(
すさのおのみこと
)
の女
須勢理毘売
(
すせりびめ
)
が、
大国主命
(
おおくにぬしのみこと
)
に蛇の
領巾
(
ひれ
)
を授けて、蛇室中の蛇を制せしめたとあれば、上古本邦で女がかかる術を心得いたらしい。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
侍女が彼方から
裳
(
も
)
を春風に吹かれながら酒瓶を捧げて来る楽しげな構図だが、王女の下脹れた豊かな頬と云い、大どかな眉と云い、
領巾
(
ひれ
)
をかついだ服の様子と云い
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この登山に唯一のおそろしきものゝやうに言ひ
做
(
な
)
す、
胸突
(
むなつき
)
八丁にかゝり、暫く足を休めて後を
顧
(
かへりみ
)
る、天は藍色に澄み、霧は
紫微
(
しび
)
に収まり、
領巾
(
ひれ
)
の如き一片の雲を東空に片寄せて
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
姫が
狭手彦
(
さでひこ
)
の船を見おくりつつ、ここより空しく
領巾
(
ひれ
)
ふりけむと、かきくるる涙にあやなや、いづれを海、いづれを空、夢か
現
(
うつつ
)
かのそれさへ識るの暇もなく、
宛
(
あたか
)
も狂へるものの如くに山を下り
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
領巾
(
ひれ
)
ふるや、夢の足なみ軽らかに
現
(
うつゝ
)
なきさま。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その中でも一人が
領巾
(
ひれ
)
をふる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、彼等があの部落の中でも、
卑
(
いや
)
しいものの娘でない事は、彼等の肩に
懸
(
かか
)
っている、美しい
領巾
(
ひれ
)
を見ても明かであった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この天の日矛の持つて渡つて來た寶物は、玉つ寶という玉の緒に貫いたもの二本、また浪振る
領巾
(
ひれ
)
・浪切る領巾・風振る領巾・風切る領巾・奧つ鏡・邊つ鏡、合わせて八種です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
白き
領巾
(
ひれ
)
ふる。
百済琴
(
くだらごと
)
。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大広間の外へ出ると、須世理姫は肩にかけた
領巾
(
ひれ
)
を取つて、葦原醜男の手に渡しながら囁くやうにかう云つた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は昨夜室の蜂が、彼のまはりへ群がつて来た時、須世理姫に貰つた
領巾
(
ひれ
)
を振つて、危い命を救ふ事が出来た。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は茫然と立ち
止
(
どま
)
ったなり、次第に遠くなる
領巾
(
ひれ
)
の色を、見送るともなく見送った。それからあたりの草の上に、点々と優しくこぼれている嫁菜の花へ眼をやった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、彼等には彼の
威嚇
(
いかく
)
も、一向効果がないらしかった。彼等はさんざん笑ってから、ようやく彼の方を向くと、今度はもう一人がやや恥しそうに、美しい
領巾
(
ひれ
)
を
弄
(
もてあそ
)
びながら
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
領
常用漢字
小5
部首:⾴
14画
巾
常用漢字
中学
部首:⼱
3画
“領巾”で始まる語句
領巾振山
領巾片敷